FinTech of Life

FinTech・IoT・ビッグデータ・ブロックチェーンなど時流に乗り世の中を変えようとしているテクノロジーとこれからの人の働き方について発信します。

フィンテックによって銀行はこれからどうなるのか。

f:id:kentyyizm:20170525211816j:image

金融と情報技術の融合である「Fin Tech」により金融、そして銀行にも革命が起きようとしている。

 

銀行と私達の関係性は過去とは違い、テクノロジーの力によってユーザーの立場はどんどん強くなっている。

 

今まで人が袖をまくりあげて必死にやっていたことが今後は機械がほんの秒速でこなしていたり、はたまた銀行の支店など行かずインターネットという窓口で完結してしまったりしてしまうのだ。

 

このような技術革命の中でこれからの銀行はどうなるのか。

 

そう考えた時にどの銀行も早く形を変えていかなければならないだろうと思うだろう。

 

しかし、それが本当の変化であるのだろうか。

そもそもそれ事体が革命と言えるのか。

 

そういったことも踏まえ自身の考えを述べていく。

 

 

銀行預金に魅力は一切ない。

 

まず日本の大半の金融資産が眠っている銀行預金を見ていこう。

 

利息があって無いような銀行預金に魅力など一切感じない。

 

預金に魅力がないのは預金利率を見れば一目瞭然であるが、そもそもなぜ預金をしているのか。

 

私は預金をする理由は手元に現金を持たなくてもATMで引き出すことができるから、そしてタンスにお金を置いておくよりは安全だから。といった考えである。

 

そうは思っているのだが、真実は代々親がお金を銀行口座に入れていた為、

「お金は銀行に預けるもの」と信じていたからだ。

 

最近になっては、銀行に預金をするのは本当に正しいのかといった所まで考えてしまう。

もっと高利回りでかつ便利なお金の預け先はないのか。とも思うくらいだ。

 

そしてなぜ日本は銀行預金の割合が多いのか。

 

日本の金融資産の預貯金の割合は50%程度である。

これがアメリカだと10%~20%程度である。

 

金融リテラシーが不足しているという理由もあるかもしれない。

 

預金が多くて得をするのは銀行である。

 

1%にも満たない金利で資金を調達できるからである。

 

安く資金を仕入れて高く貸すというのが銀行のビジネスモデルであるが預金者が多いことで運用資金が増え安く資金運用できることになる。

 

しかし、そんな状態がいつまでも続くとは思えない。

国民に金融リテラシーが身に付きリスクを取る人が増えれば預金残高は減っていくだろう。

 

更に今話題のブロックチェーンを活用した「仮想通貨」もこれから市場にシェアしてくることになるだろう。

 

特にビットコイン時価総額はどんどん上がっており、2017年の4月には時価総額が2兆円を超している。

www.nikkei.com

 

これはどういうことかというと預金先を仮想通貨の方に奪われ兼ねないということだ。

 

するとどうなるか。運用資金が減ってしまう可能性だってある。(流通制限と言った話は今回置いておく。)

 

お金を置いておく手段や選択肢が増えることでますます預金の魅力は無くなっていく。

 

しかしだからと言って預金者を増やすために手数料をとにかく下げたり預金金利を上げたりするといったような「価格競争」をしてしまっては大変だろう。それだけで預金者は集まるとは思えない。

 

価格だけが価値ではない。

 

価格だけが価値なら高価なモノは絶対に売れない。

 

なにが言いたいのかと言うとそこの口座にお金を入れる必要性を銀行が訴えていかないといけないという事だ。

 

価格とは違うからである。

 

後でも述べるが私は銀行口座に「便利さ」だけを求めていた。

 

そこで私が利用したのは住信SBIネット銀行だった。

もともとSBI証券の口座を持っており株の取引をしていたので取引の際に資金の出し入れがしやすい銀行が良かったというのがきっかけだ。

 

そしてネット銀行ならわざわざ振り込みで窓口に行かなくても済む、お金の管理がネットでできる。

など自分にとっての必要性が備わっていた。

 

個人の預金が起点である銀行にとってお金に逃げられるのは厳しい課題だ。

 

例えば地方銀行が地方に特化したポイントやプレゼントのキャンペーンをしてみるのも面白いとは思う。

 

よってこれからはいかに他の銀行と違ったサービスの付加価値が出せるかどうかが生き残るカギになるだろう。

 

 

今の自分と銀行の関係性は?

 

ここで私自身の銀行の利用状況を見ていきたい。

 

自分と銀行は、どういう関係なのか。

 

人間関係で例えるなら重要な人物だがあまり物理的に会ったりしない関係だ。

 

もっとわかりやすく言うならお世話にはなっているがリアルで会ったりはせず、LINEを使ってのやり取りのみ。

といったような割とドライな関係である。

 

リアルの対面型銀行に私が最近出向いたのはもういつかも覚えていないくらいだ。

 

そう、ネット銀行を使っているからだ。

 

ネット銀行ならば支店で窓口やATMに行かなくても自分のパソコンやスマホ、コンビニのATMでお金の出し入れが可能だ。

 

先程の例はそれの例えである。

実際に会わずに頼みごとだけLINEで任せるみたいな。

 

改めて、私が今メインで利用しているのはネット銀行である。

その理由は簡単で「楽」で「面倒でない」からだ。(あくまで個人の意見である。)

 

私が今メインで使っているのは住信SBIネット銀行であるが、先程ものべたように様々な手続きが全てネットで完結できるのでとても便利だ。

更にはAPIによるネット銀行アプリによって残高確認やお振込みなどが気軽に簡単に行える。

 

APIとは(Application Programming InterFace)ソフトウェアが別のソフトウェアの機能を呼び出す仕組みのことで、要はソフトウェアの一部をWEB上に公開して外部からも利用できるようにしましょうということである。

 

さらに銀行のキャッシュカードに付帯している「デビットカード」を使って決済することによってより決済が楽になり細々とした現金を持ち歩く必要もなくなる。

 

正直とても便利だ。

もうこの利便性を覚えてしまうと支店型の銀行を使おうとは思えない。

私は個人事業主でも会社経営者でもない一般ユーザーである。

だからこそここまで利便性が増したネット銀行というものがあるのに対面型の銀行を使うというメリットはほぼないだろう。

私がなぜここまで「楽」「面倒ではない」ものにこだわるのかというと

無駄を減らして生産性を上げていきたいからだ。

 

「支店」という物理的条件があることによってユーザーはそこに「時間」と「お金」をかけなければならない。

支店まで行く時間、そしてそこで仕事をする人間や不動産の費用までが我々の利用するサービスのコストに影響してくる。

 

しかしネットがあることによってそれが全て完結する為、物理的壁が無くなりかなり安いコストで銀行のサービスを利用することができるのだ。

 

様々な無駄をカットしさらに生活上の生産性を上げることができる。

これがこれからの次世代ユーザーに求められるものではないだろうか。

 

そして今まで常識でなかったものは怪しまれ、それが世間の常識になった瞬間皆がそれを信じ込む。

 

今銀行はまさに常識が変わっているのかもしれない。

 

これからの銀行とのお付き合いはパソコンとスマホ上だけになるだろう。

 

 

顧客の思考をいかに変えられるか。

 

「今までメガバンクを利用していたから。」といっただけの理由でサービスの比較をせずにずっとそのままメガバンクを利用している人は多いだろう。

 

今まで20年ほど使い続けてきたから。

今更口座を変えようと思わない。

ネット銀行などは使い方がいまいちわからない。

 

などといった理由でより利便性の高い銀行へのスイッチングは必ずしも上がるとは言えないだろう。

 

将来的には利便性の高いネット銀行が伸びていくとは思うが、現状を特に変えようとしない層も必ずいる。

 

必ずしも良い商品だけが売れるとは限らない。

その人の固定概念によって、本来ならどう見てもこっちの方が良いだろうと思える商品でも嫌ったりするものだ。

 

なのでFinTechなどといった難しくて複雑なことが分からない人は知らないという理由だけで将来ネット銀行や仮想通貨を使わない可能性はある。

 

その頑固な層をいかにマインドコントロールし教育をしていくかもこれからの銀行の課題となるだろう。

 

そう、ユーザー視点での見え方が重要だ。

 

これからの銀行の在り方。

 

そしてこれからの銀行の在り方だが、ある著書ではこう述べられている。

 

ほとんどの地方銀行は、最終的にプライベートバンク型へと大きく転換を迫られることになるだろう。日本であれば不動産やさまざまな金融商品に精通する必要がある。地方銀行はこうした人材と機能を用意していかなければならない。

引用:銀行はこれからどうなるのか 泉田良輔

 

今回地方銀行の事を言っているが、要は個人預金が減っていくであろう銀行はそれをいかにして守っていくかが課題なのである。

FinTechの活用はもちろんのことだが、それだけでは勝てない。

便利な決済やアクセスのしやすいプラットフォームを作るだけでは足りないからだ。

競合相手が多すぎるのだ。

だからこそ金融資産の運用提案をしていかないといけないだろう。

 

それには代わりの聞かない銀行の人材の力が必要となるのだ。

 

 

さいごに:銀行は変わらないために変わり続ける。

 

ここまで「既存の銀行は変わらなければならない」といったようなことを言ったが、

結論銀行は何も変わらないしこれからも変わることはないだろう。

 

矛盾しているようだが、それはどういうことかというと

変わらないために変わり続けるだけだということ。

 

このフレーズといえばラーメン「一風堂」でる力の源カンパニーの企業理念だ。

このフレーズがこのIT時代にちょうどよくあてはまる。

 

もちろんテクノロジーの力を利用して銀行はどんどん形を変えていかなければならないし変わるとは思っている。

しかし、それでも変わらないであるものは銀行の「本質」だ。

 

変わっているのはITというツールが導入されていることだけで銀行の本質は変わらないのだ。

 

要は先程も述べたように変わらないために変わり続けなければならないということである。

 

我々の決済、融資、送金という価値を提供してくれるサービスの本質はいつまでも変わらない。

 

ただの便利機能の最適化に過ぎない。

 

元々銀行の機能としては

 

  • 決済機能
  • 融資機能
  • 送金機能

の三つである。

 

そしてこの存在意義自体はFinTechであろうが一切変わりはしない。

 

ブロックチェーンによって新しい分野の機能が生まれるのかといわれればそうでもないだろう。

 

それは従来の便利機能を最適化する「手段」であるからだ。

 

ただその形を変えているだけだ。

 

FinTechによって全てがネットで完結する。ということは確かに革新的でとても便利なことだ。

 

しかし、よく考えればただの「電子化」に過ぎない。

 

アウトプットが紙からWEBに変わっただけではないかとも思う。

 

もちろんそこにはWEBだけではなく「ロボ」も参入してくるだろう。

 

しかし、この「ロボ」に人間程の考察力は無い。

 

ロボが理解できることはまだ知れている。

 

例えば将来ロボが企業の融資審査をするならば、ソフトバンクは審査に落ちるかもしれない。

数字だけを見て判断するなら、「負債が多い」という判断を下すだろう。

 

しかしその負債がなぜ多いのか、財務レバレッジがなぜそんなに高いのか。

なんてことはロボットにはわからないだろう。

数字では測れないものがロボには見えないからだ。

 

要はロボットなんて「優秀でコストの安い作業員」のようなものではないだろうか。

 

安いコストで「これをやってくれ」と言った事を24時間フル稼働してくれる。

ただそれだけだ。

 

これは過去に人間が作ってきた物の作業を代替してくれる分身であって銀行で人間が提供できる価値はいくらでもあるだろう。

 

だからこそ人の価値がどんどん上がるのだ。

 

結果銀行は今まで通り融資もするし決済も送金もする。

これからも本来と変わりない銀行のままなのではないだろうか。

 

むしろ、変わらない顧客にとって満足度の高い銀行である為にどんどん変わり続けていくと私は予想する。